障害年金社労士の独り言 ~ 食えなくなる不安

今回も「障害年金社労士の独り言」シリーズです。「食えなくなる不安」について書いてみようと思います。

意外に多い! 「食えなくなる」不安をお持ちの方

さて、ぶしつけな話で恐縮ですが、障害年金の申請をお考えになっているのでしたら、もしかすると、中には

「食えなくなるんじゃないか」

と思われている方がいらっしゃるかもしれません。

でも、それは無理もない話かと思います。実際に食えずに餓死する、と思っているかどうかは別としても、日本では「食えなくなる」という表現を使う人が非常に多いと思います。

かくいう私もそうでした。私自身、よく考えもせずに「食えなくなる」という言葉を使っていましたし、そのように言う職場の上司もいました。その方はたぶん私のことを思って、善意で言って下さったのだと思いますが・・・。

社会保険労務士事務所を始めてからも、「食えなくなるんじゃ・・・」という不安は消えませんでした。事業の失敗=食えなくなる、という思いが強かったので、不安を原動力にしてこれまでなんとかやってこられたのかもしれません。

でもちょっと考えると、そんな訳ない?

でも最近私は考えました。

日本人は安易に「食えなくなる」という表現を使い過ぎなのではないか?

飢餓に苦しんでいる地域ならともかく、今の日本で、簡単に「食えなくなる」事があるだろうか? (私の周囲では、将来の食糧危機を心配されている方はいらっしゃいますが・・・。)

この豊かな日本で飢えて死ぬ、という事は考えづらい。勿論、餓死された方のニュースを耳にすることもありますが、多くは孤立した中で起こっています。周囲に救いの手を求めれば、そういう悲劇はほとんど防げるのではないでしょうか。

と・・・。

しかし・・・。

しかし、本当にそうだろうか? 

私が知らないだけで、本当に困っている人が、この豊かと言われる日本の中で、ひっそりと暮らしていらっしゃるんじゃないか? 

そう、疑問が湧いてきました。

とある本では、著名な学者の方が「今の日本で、餓死することは通常考えづらい」と書いていました。

そして、他の本では日本での年間のが死者数は数十人、と書かれていました。

しかし、一方で、栄養失調による死者も含めると、年間1700人とも言われています。思ったより多くの方が亡くなっています。また、とある調査では、日本人の5.1%が直近1年間で「満足に食べられない時期があった」と答えている。そして、日本の貧困率は6人の1人の割合だとも聞きます。

実際に「食えなくなる」ことが、自分の身近なところで起こっているんだと、私自身認識を改めました。「もし商売が失敗しても命まではとられない」と安易に考えられないかもしれない。そう、悲観的な考えが湧きあがってきました。

貧困に直面している方々

貧困に陥る主な原因としては、健康面の不安、教育格差、離婚等あります。そして一部の論調では「自己責任」との声が聞かれますが、そういう単純な話ではないと思います。私としては、自己責任というよりも、やむを得ない理由により貧困に悩んでいる方が多いと思います。

また地域で孤立してしまうことも、餓死等につながっていると思います。しかし、小家族化で身近に頼れる人がいなければ、自立困難な方に日常生活を送るのは難しい。勿論、地域の民生委員の皆様、生活保護、障害・老齢・遺族年金、雇用保険等のセーフティーネットの活用で救われる方が大勢いらっしゃると思います。

しかし、いわゆる生活保護の「水際作戦」の問題等もあり、現実に憲法で守られているはずの「生存権」が脅かされている方もいる。何度も生活保護を断られたうえで、餓死や凍死された方もいる。

そういう希望の見えない方の助けになりたい。みんなそう思うでしょう。私も思います。でも声を上げたくても上げられない人が大勢いる。なんとか忘れられている方を探し出したい。解決策は一筋縄では見つかりませんが、地域の団結、自治体の心配り、足配り。私の頭ではとても名案は浮かびませんが、そんなことを考えた今日でした。

まとまりのない話でした。お付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)