裏話 ~ 障害年金の申請は、スピード重視か? 万全を期すか?

個別の事情によるので、判断が難しい

こんにちは。
茨城県桜川市の社労士 海老澤亮です。
本日もよろしくお願いします。

私自身は、障害年金の申請のご依頼を頂いた場合、どちらかというとスピードを重視して手続きを致します。

とはいえ、
お客様としては、社労士に委任する場合、

① より高い確率で障害年金が受給できるだろう
② よりスピーディーに手続きができるだろう
③ より手間がかからずに手続きができるだろう

と期待されていると思います。そして期待値としては①>②>③となっている(分かりづらいですが)でしょう。

当たり前の話ですね。いくらスピーディーに手続きが終わっても、年金が受給できなければ、何の意味もありません。

とはいえ、私の場合は基本的にはスピード重視で手続きを致します。(繰り返しますが。)そのため、主治医先生が診断書を書いてくれて診断書を預かったら、間髪入れず年金の申請をするのがほとんどです。(勿論、診断書に不備があれば、訂正いただいていますが・・・。)

これは何故かというと、

障害年金の申請をする前に、ほぼ障害等級が予想できるから

そして

こちらの用意した書類が、予想した障害等級に該当するか否か、予想できるから

だと思います。

これは、大した話ではありませんけれど、

①事前にお客様からお話を伺った時点で、障害認定基準をもとに障害等級を予想

②その予想を、お客様に伝える。(人によってはハッキリ言わない同業者も多いかもしれませんが、私はなるべく伝えています。これは後から「2級だと言われたのに3級だったじゃないか」というようなクレームを頂く可能性は残りますが・・・。私なりにリスクをとっているつもりです。)

③いざ診断書が出来上がってきて、診断書が予想通りの内容で、障害等級も予想したものになる可能性が高い、

そして

④事前に作成しておいた「病歴就労状況等申立書」も診断書の内容と整合性がとれている、と判断できる

ならば、年金事務所の予約をし(月末の場合など予約をせずに持ち込むこともありますが。)、申請しています。そのため、障害年金をまとめて申請する、という事はしません。書類がそろった時点で、個別に申請しますので・・・。(だから、先月のように3人の方を同じ日に申請した、というのは非常に珍しいです。)

とはいえ、判断に迷うことはあります。

そうはいっても、障害等級の判断に迷う時はもちろんありますね。障害認定基準に照らし合わせれば、ほとんどのケースで分かるとはいえ、等級の境目にあるような場合がありますので。

そして、例えば「高次脳機能障害」など、原則として複数枚の診断書を提出する場合も、判断に迷います。「高次脳機能障害」ですと、「肢体の障害」「精神の障害」「言語機能の障害」の3枚を書いてもらい、提出するのが基本です。

しかし、苦労して3枚必ず書いてもらわなくちゃならないかというと、そんなことはありません。まず一人の主治医の先生が3枚とも書いてもくれることは少ないでしょう。

脳外科の先生は、「精神の障害」用の診断書を書いてはいけない

というような決まりはありませんが、現実にはなかなか書いていただけません。それぞれ別の科を受診して、書いてもらうことが多い。だから、いざ3つとも書いてもらうとなると、3つの科を受診する必要があって、すごく手間がかかってしまいます。

ですので、時間勝負な「事後重症請求」(年金を申請した翌月分から年金が支給されるケース)の場合は、

診断書をどこまでそろえるか?

が大事なポイントになります。どこまで診断書をそろえれば、例えば障害等級1級になるか? など、ち密に判断する必要があります。このあたりは社労士の経験が問われる領域でしょうか?

時間勝負なケース以外でも、なかなかご家族に時間的な余裕がない場合や、金銭的な余裕がない場合も考えられます。それらを考えて「いいあんばい」で仕事ができるか? それは社労士の腕の見せ所なんでしょうね。まあ・・・いつも悩み悩み仕事していますけど。

そんな障害年金申請の裏話? 的な話でした。
本日もお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

(社会保険労務士 海老澤亮)

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