「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取り扱いについて」を読む。 「第三者証明」編 その1

「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取り扱いについて」を読む。 「第三者証明」編 その1

今回は、平成27年9月28日に厚生労働省年金局事業管理課長より発出されました通知「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取り扱いについて」を読んでみます。

長くて大変マニアックなものですので、ご興味のある方だけご覧いただければと思います。受診状況等証明書の取得が困難な場合の対応が示唆されております。

20歳以降に初診日がある場合の第三者証明の取扱いについて

第1 第三者証明による初診日確認の取扱いについて

1.20歳以降に初診日がある場合の第三者証明の取扱いについて
(1)20歳以降に初診日がある場合の第三者証明の基本的取扱いについて
① 第三者証明と参考となる他の資料による初診日の確認について
20歳以降に初診日がある障害年金の請求に当たり、初診日に受診した医療機関による初診日の証明(以下「医証」という。)が得られない場合においては、第三者証明(医療機関で診療を受けていたことについて第三者が申し立てることにより証明したもの。以下同じ。)を初診日を合理的に推定するための参考資料とすることとする。
この場合において、20歳以降の初診日については、初診日がどの年金制度に加入していた時期かによって給付内容が大きく異なることも踏まえ、適切に初診日を特定する必要があることから、第三者証明とともに、初診日について参考となる他の資料の提出を求め、両資料の整合性等を確認の上、障害年金を請求する者(以下「請求者」という。)が申し立てた初診日を初診日として認めることができることとする。

⇒ 20歳以降に初診日がある場合の第三者証明は、それだけでは初診日を認める資料になりません。その場合は、診察券(初診日や診療科が記載されているようなもの)、医療機関の受付簿のコピーなどの他の資料も必要になります。第三者証明はあくまでも「最後の手段」であって、王道ではありません。なるべく、他の信憑性のある資料を用意することが望ましいです。

② 第三者証明に該当する申立てについて
第三者証明は、基本的に次のアからウのいずれかに該当するものであること。
ア 第三者証明を行う者が、請求者の初診日頃の受診状況を直接的に見て認識していた場合に、その受診状況を申し立てるもの
イ 第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求者の初診日頃に、請求者の初診日頃の受診状況を聞いていた場合に、その聞いていた受診状況を申し立てるもの
ウ 第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求時から概ね5年以上前に、請求者の初診日頃の受診状況を聞いていた場合に、その聞いていた受診状況を申し立てるもの

⇒ 第三者証明には「直接見て知っていた事」と「聞いて知っていた事」を区別して書くようになります。(それらは整理する必要があります。)また、概ね5年以上とは「必ず5年以上前」ということではなく、1カ月程度短くても差し支えないとのことです。

③ 参考となる他の資料について
①の参考となる他の資料としては、診察券や入院記録などの初診日について客観性が認められる資料が必要であり、医療機関が作成した資料であっても、請求者の申立てによる初診日等を記載した資料は不適当であること。

⇒ 上記①の補足がされています。

(2)第三者証明の留意点について
① 第三者証明を行う者について
「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて(厚生年金保険法)「平成23年3月23日付け年発0323第1号)の別表1で定める第三者証明の第三者の範囲を踏まえ、請求者の民法上の三親等以内の親族による第三者証明は、認めないこととする。

⇒ 三親等以内の親族による第三者証明は、それだけでは認められませんが、書類としては預かってはくれるようです。(それにどれほどの意味があるかは分かりませんが・・・。)

② 医療従事者による第三者証明による初診日の確認について
初診日頃に請求者が受診した医療機関の担当医師、看護師その他の医療従事者(以下単に「医療従事者」という。)による第三者証明(初診の医療機関が廃院等により医療機関による医証が得られない場合など)については、初診日頃の請求者による医療機関の受診状況を直接的に見て認識していることから、医証と同等の資料として、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料がなくとも、当該第三者証明のみで初診日を認めることができることとする。
なお、医療従事者による第三者証明であっても、初診日頃の請求者による医療機関の受診状況を直接把握できない立場であった医療従事者が、請求者の求めに応じ、請求者の申立てに基づいて行った第三者証明は、これには該当しない。

⇒ 医師、看護師以外の「その他の医療従事者」とは「薬剤師、理学療法士、精神保健福祉士など医療機関において医学的な業務に従事する職員」とのことです。事務関係の職員は該当しないようです。また、医師以外の第三者が作成した場合は、当該医療従事者が「請求者の初診日頃の診療に携わっていた」事が詳細に証明されている必要があります。

③ 必要となる第三者証明の数について
上記②の場合を除き、原則として複数の第三者証明があることが、第三者証明を初診日推定の参考資料とするために必要である。
ただし、請求者が複数の第三者証明を得られない場合には、単数の第三者証明であっても、医療機関の受診にいたる経過や医療機関におけるやりとりなどが具体的に示されていて、相当程度信憑性が高いと認められるものであれば、第三者証明として認めることができることとする。

⇒ 単数の第三者証明でも認められる場合となると、「初診日頃に申立て者が医療機関に受診していたことを知っていた」かつ「初診日頃の医療機関を受診する経過や医師からの療養の指示などが具体的に記載されていること」が必要とのことです。

④ 請求時から概ね5年以内の第三者証明の取扱いについて(1(1)②ウ関係)
1(1)②ウの場合において、第三者が請求者等から初診日頃の受診状況を聞いていた時期が、請求時から概ね5年以内である第三者証明については、認められない。
ただし、請求者申立ての初診日について参考となる他の資料があわせて提出された場合であって、他の様々な資料から請求者申立てによる初診日が正しいと合理的に推定できる場合には、第三者証明として認めることができることとする。

⑤ 一番古い時期の受診状況等に係る第三者証明の取扱いについて
請求者の初診日頃の受診状況等が不明である場合に、第三者が証明することができる一番古い時期の受診状況等について第三者証明があった場合には、当該資料により申請者が申し立てた初診日を認めることはできないが、初診日を総合的に判断する際の資料として取り扱うことができることとする。

⑥ 第三者証明の信憑性の確認について
第三者証明により初診日を確認する場合には、上記の資料のほか、可能な範囲で、請求者の申立ての初診日について参考となる資料の提出を幅広く求め、それらの資料との整合性や医学的判断等により、第三者証明の信憑性を確認することとする。
また、第三者証明の内容に疑義が生じる場合や第三者が実在するかどうかについて疑義が生じる場合は、必要に応じて第三者に対して電話等で確認を行うこととする。

⇒ 第三者の実在または第三者証明の内容に疑義が生じた場合は、第三者の身分証明書や住民票、当時の関係を確認できる資料等、第三者が協力に応じる範囲で確認を行ってください。それでもなお信憑性などの確認ができないと判断した場合(本人確認ができない、証明内容を知りうる関係・状況でなかった等)は、受け付けた上で第三者証明として認めない取扱いとしてください、とのことです。当然ながら、第三者証明はきちんと信憑性のあるものを提出しないと到底認めてはもらえないと思います。

(3)第三者証明の確認項目について
第三者証明により請求者が申し立てた初診日を適正に判断する観点から、第三者証明のついては、少なくとも以下の項目を確認することとする。
ただし、一部の確認項目に記載がない場合でも、第三者証明の信憑性を総合的に判断することとする。
① 第三者に関する項目
第三者の氏名、住所、電話番号、請求者との関係(初診日頃の関係又は受診状況を聞いた頃の関係)
② 請求者の初診日頃における医療機関の受診状況に関する項目
傷病名、初診の時期、医療機関名・所在地・診療科
③ 第三者から見た請求者の状況等に関する項目
例えば、次のような事項についてできるだけ詳しく記載を求めるものとする。
・ 発病から初診日までの症状の経過
・ 初診日頃における日常生活上の支障度合い
・ 医療機関の受診契機
・ 医師からの療養の指示など受診時の状況
・ 初診日頃の受診状況を知り得た状況 など

⇒ 日本年金機構の「初診日に関する第三者からの申立書を提出するとき」というページを下記に貼ります。 こちらに実際の書類と記載例がありますので、そちらを見ていただいた方が分かりやすいでしょう。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shindansho/2018042601.html

これまで、20歳以降の初診日を証明するための第三者証明について取扱い通達を見てまいりました。

第三者証明は、客観的な資料に代わるものですので、当然きちんとしたものを提出しないと無意味です。私ども社労士としても、非常に気を遣う書類であります。安易に第三者証明をもらうよりも、まずは客観的な資料がなにかないか? よくよく調べてみましょう。お付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)