脳脊髄液減少症で障害年金の申請をされる方へ

脳脊髄液減少症で障害年金を申請される方へ

今回から、しばらく個別の傷病に絞って、障害年金を申請される際の注意点を書き綴ってみようと思います。(今回は脳脊髄液減少症で悩まれている方向けです。)

脳脊髄液減少症の場合、初診日の特定が難しい。

脳脊髄液減少症に関しては、国も認定困難事例として「慢性疲労症候群」「線維筋痛症」「化学物質過敏症」と一緒に認定事例のサンプルを公表しています。
http://www.shogai-nenkin.com/zuieki.pdf

それだけ障害年金の申請、認定が難しい疾患だと、国も認めている訳です。

難しくしている一因としては、比較的新しい疾患であり、診断できる専門医が限られていることがあります。私の地元茨城県では私の知る限り、同疾患の診断・治療を行われているドクターはお一人だけです。(私が不勉強なだけかと存じますが・・・。)

脳脊髄液減少症の場合、何らかの外傷後(交通事故や柔道・スキー・スノーボード等スポーツの事故など)に症状が現れることが多いですが、何が原因で症状が出現したのか分からないことも多い。転倒やしりもちなどの軽微な外傷、出産、医療行為などから症状が出現することもあるとされています。

病気の特徴として、外傷等を負った後、直ちに重篤な症状が出る訳ではなく、緩やかな経過をたどってから重症化する場合もあります。その点が一層、障害年金の認定を難しくしています。

ご本人としては、例え、○○の日に○○があってそれから体調が悪化した、と感じているとしても、それを具体的に、客観的な証拠を提示して証明することは難しい。例え、病歴就労状況等申立書に詳しく症状の経過を記載しても、それが素直に認められて、請求人の意向に沿う形で障害年金の認定が進むとは限りません。そのような困難さは、実務において私自身も重々感じているところです。

年金機構もどこを初診日にすべきか? 悩むことの多い疾患で、そのため初診日の認定で争いになり、審査請求・再審査請求と長期戦になることもあり得ます。場合によっては「初診日が違う」として、再度障害年金請求のやり直し、ということも考えられます。

とはいえ、不服申立先の社会保険審査官、社会保険審査会も決してこちらを貶めようと悪意をもって難癖を言っている訳ではありません。こちらが真摯な態度で接すれば、向こうも誠意を持って対応してくれると私は信じています。

(甘いとお叱りを受けるかもしれませんが、単に「こちらが正しい」と正論をぶつけ合うだけでは、平行線で終わってしまう、という事もあります。だからといって妥協しろ、という話ではありません。誤解のないように、書きます。)

初診日の認定は、脳脊髄液減少症に限らず、悩ましいものですし、相当因果関係に関して証明することは医師の協力が不可欠です。

診断書の記入は、比較的スムーズにいく場合が多い。

脳脊髄液減少症で、障害年金を申請する場合は、「肢体の障害用」か「その他の障害用」で診断書をご記入いただくことになります。その他の障害用は比較的最近OKになったものですが、個人的には肢体の障害用でなるべく書いてもらっています。(その方が請求人の方のメリットにつながると思っています。)

また、診断書を記入するお医者さんは、私の独断ですが、障害年金の診断書を比較的書きなれていると思います。

脳脊髄液減少症と診断が出来るお医者さんは人数が少ないですので、どうしても患者さんは集中します。そして障害年金の申請をしたいという方も自然と集中すると思います。そのため、お医者さんは何度もそちらの診断書を書いたことがある場合が多いだろう。そう推測します。

とはいえ、肢体の障害用の診断書を記入するのは、はっきり言ってお医者さんには負担です。手間がかかります。

本音では「あんまり書きたくない」のかもしれません。(そうは言わずに、たいていの場合は書いてくれると思いますが・・・。)

脳脊髄液減少症の症状は、かなり多岐にわたります。疼痛等は勿論、婦人科系の症状が出る方もいらっしゃいます。色々な症状を、詳しく医師に伝えたい。そしてそれらを網羅した診断書を書いてもらいたい。というのが人情ですが、忙しい医師にはなるべくコンパクトに症状等をまとめた書類をお渡しして、参考にしてもらった方がいいでしょう。

また、診断書は書く項目が大変多いので、場合によってはミスや記入漏れも起こりがちです。診断書を書いてもらったら、「ああよかった」ではなく、(もし封筒に封がされていても、封を開けて)漏れ等がないか確かめましょう。

そして診断書「傷病の原因又は誘因」欄も、お医者さんの見解があればきちんと書いてもらいましょう。(初診日に関する医師の見解を示してもらう訳です。)

病歴就労状況等申立書の作成は大事になる。

長期間にわたり、様々な症状を呈することのある脳脊髄液減少症では、診断書と共に病歴就労状況等申立書も大事になってきます。(もともと大事な書類ですが・・・。)

場合によっては色々な医療機関を受診されていて、1枚にはとても書ききらない、という事もあるでしょう。その場合は「別紙」がありますので、そちらに記入しましょう。

この申立書は、コンパクトに、なおかつ具体的に書いた方がいい。(難しいこと言いますが。)この疾患の場合は、申立書を作るのが大変な場合が多いでしょう。(私が申請した方でも、これまでで一番書類のボリュームが多かったのは、同疾患の方です。)

でも、申立書が出来上がれば申請までもう一息ですので、くじけずに最後まで頑張っていただきたいです。

とはいえ、脳脊髄液減少症で障害年金を申請するのは、ご本人が行うのは非常に大変だと思います。ご家族にご理解を頂いて手伝って頂く。なるべく他者の助けを借りて行いましょう。

受診状況等証明書の取得は大丈夫ですか?

脳脊髄液減少症の場合、初診日から年金申請までに長期間が経過している事も多いと思います。その場合、初診の医療機関でカルテを破棄していることもあるかもしれません。そうすると受診状況等証明書を書いてもらえない、という壁に突き当たります。

カルテがないとお手上げか? というとそうでもありません。

交通事故等で同疾患になった場合などは、当時の保険の書類などもあるでしょう。

医療機関でもカルテはないけれど、コンピューターには初診の日付と傷病名が残されている、なんていうことも多いので、初診日の証拠になりそうなものはなんでも集めましょう。

以上、全然まとまりませんが、お付き合いいただきましてありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)