医師が障害年金の診断書等を書いてくれない場合どうするか?

医師が障害年金の診断書等を書いてくれない場合どうするか?

障害年金は、そもそもお医者さんに書類を書いてもらえないことには始まりません。
今回は書類の作成を断られた場合に、どのように対処するか? 考えてみたいと思います。

理由はいくつか考えられる

何故、診断書や受診状況等証明書を書いてくれないのか? 
私がご依頼を受けたケースで、診断書の作成を拒否された、という事はほとんどありませんが、考えてみましょう。

理由その1

「そもそもカルテなどの資料が残っていないので書けない」

理由その2

「カルテは残っているものの、受診回数も少なく、診断書作成に必要な検査も行っていない」

理由その3

「障害年金を受給することに対し、医師が好ましく思わない」

理由その4

「忙しい」

理由その5

「個人的な嫌がらせ」

・・・ちょっと、きついことを書いてしましましたが・・・。

対策としては

理由その1 「そもそもカルテなどの資料が残っていないので書けない」については、今回は割愛いたします。(別のコラムで書くことと致します。)


理由その2 「カルテは残っているものの、受診回数も少なく、診断書作成に必要な検査も行っていない」場合は、診断書を書ける範囲で書いてもらいます。
(診断書以外にも、受診状況等証明書も「書ける範囲で書いてもらう」事は多いですね。それで認められないか? というと、ポイントさえずれていなければ、完璧に記入していなくても問題なく受給できると思います。)

また、本来計測等が必要な「肢体の障害用」の診断書 を書いてもらいたいけれど、まったく計測等を行っていない場合は、「その他の障害用」の診断書を記入してもらい、提出することも弊事務所では多いです。(特に難病等で申請する場合は多いです。)

勿論このような場合は、お医者さんの方で

「診断書はきちんと書かないと、結局書き直さなければならないんじゃないか? 後々面倒なことになるんじゃないか?」

という心配もされていたりします。でも、私の方で依頼する場合は「書ける範囲で書いていただければ助かります」と下手? に出ますと、結構すんなり書いてもらっております。
この辺りは、負担感を少なくするようにお願いできればいいですね。(といっても、初めて依頼する方にはちょっとハードルが高いか・・・。「専門家がそういうなら」と、思ってもらえるでしょうけれど。)


理由その3  「障害年金を受給することに対し、医師が好ましく思わない」 もお医者さんが誤解している場合もあります。

例えば、「そんなに状態が悪くないから働けるんじゃないか。年金をもらうと働く意欲もなくしてしまう」というように考えているケースです。

もしかすると、本人の日常生活の様子が主治医の先生に伝わっていないのかもしれません。普段の診察では「どうですか? 変わりないですか?」くらいしか聞かれなければ、患者さんがどのような生活を送っているかは分からないと思います。(特に精神疾患等では、意外と伝わっていないかも。)

そんな時に、障害年金の診断書作成の参考資料を持っていき、書類を見てから、「こんな状態だとは知らなかった」と言って、薬の処方を変えたり・・・という先生もいらっしゃいます。

日常生活がどんな様子なのか、どのような事に困っているのか? そのようなことを主治医の先生にお伝えすると、ご理解いただき、協力的になる方もいらっしゃいます。

理由その4 「忙しい」というのも、診断書を書きやすくするような工夫をすると書いてくれたりします。例えば、いちいちカルテをひっくり返さなくても済むように、診断書の項目に沿ってご自分で分かる事を記載しておく。
(例えば、先生に診断書を丸投げするのではなく、ご自分でも診断書の内容を確認し、記入する項目ごとにお伝えできることは書面に起こしておく。)

悪意があるとは思いたくないですが・・・

ここまでは性善説に則って書いてみました。

しかし、お医者さんが悪意を持っている場合など、どうしたらいいでしょうか?

泣き寝入りして諦めるしかないでしょうか?

本来、お医者さんは医師法で、患者さんから診断書の交付を求められた場合は、診断書を交付する義務があります。

診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。 (医師法19条2項)

ですので、「書けない」というのは医師としてダメな訳です。ご本人が頼んでダメなら、ご家族が頼んでみる。それでもだめなら専門家に代行してもらう。それが嫌なら、弁護士さんに依頼して戦う姿勢を見せる。(弁護士さんにまずは内容証明を作成頂き、提出いただく。)

勿論、このような方法はお勧めしたくないですが・・・。ご本人の精神的ストレスも高まりますしね。なるべく穏便に、第三者に依頼してもらうのがベターかなとは思います。これが一番、ということはなかなか言えないですね。

という訳で、あんまり役に立たなかったかな、と思いますが、お付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)