障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領 について ②

こんにちは。
茨城県桜川市の社労士 海老澤亮です。
本日もよろしくお願いします。

今回は、前回に引き続きましてマニアックな内容です。
主治医先生に「精神の障害用」の診断書を書いてもらう際の、参考資料「 障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領 ~記載にあたって留意していただきたいポイント~ 」の、書き方のポイントを見ていく、第2弾? です。記載されている内容を確認して、主治医先生に診断書を書いてもらう際には、「どういった日常生活の内容を伝えればいいか?」を知るためにご紹介しています。

前回同様、今回も重要なポイントである「日常生活能力の判定」の各項目について見ていきます。(太字の箇所等は、私が強調したいポイントです。)

「日常生活能力の判定」について

※ 身体的機能の障害に起因する能力の制限(たとえば下肢麻痺による歩行障害など)は、この診断書による評価の対象としません。

※ 「できる」とは、日常生活および社会生活を行う上で、他者による特別の援助(助言や指導) を要さない程度のものを言います。また、「行わない」とは、介護者に過度に依存して自分でできるのに行わない場合や、性格や好き嫌いなどで行わないことは含みません。

(1)適切な食事
※ 嗜癖的な食行動(たとえば拒食症や過食症)をもって「食べられない」とはしない。

1 できる
栄養のバランスを考え適当量の食事を適時にとることができる。(外食、自炊、家族・施設からの提供を問わない

2 自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
だいたいは自主的に適当量の食事を栄養のバランスを考え適時にとることができるが、時に食事内容が貧しかったり不規則になったりするため、家族や施設からの提供、助言や指導を必要とする場合がある。

3 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
1人では、いつも同じものばかりを食べたり、食事内容が極端に貧しかったり、いつも過食になったり、不規則になったりするため、経常的な助言や指導を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
常に食事へ目を配っておかないと不食、偏食、過食などにより健康を害するほどに適切でない食行動になるため、常時の援助が必要である。

☆ 食事の準備等が出来ないことは、判断基準にはならず、あくまで「自立してバランスよく食べられるか? 偏食、過食、不食がないか?」などがポイントのようですね。

(2)身辺の清潔保持

1 できる
洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等の身体の清潔を保つことが自主的に問題なく行える。必要に応じて(週に1回くらいは)、自主的に掃除や片付けができる。また、TPO(時間、場所、状況)に合った服装ができる。

2 自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
身体の清潔を保つことが、ある程度自主的に行える。回数は少ないが、だいたいは自室の清掃や片付けが自主的に行える。身体の清潔を保つためには、 週1回程度の助言や指導を必要とする。

3 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
身体の清潔を保つためには、経常的な助言や指導を必要とする。自室の清掃や片付けを自主的にはせず、いつも部屋が乱雑になるため、経常的な助言や指導を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
常時支援をしても身体の清潔を保つことができなかったり、自室の清掃や片付けをしないか、できない。

☆ 助言、指導の頻度等がポイントでしょうか。

(3)金銭管理と買い物
※ 行為嗜癖に属する浪費や強迫的消費行動については、評価しない。

1 できる
金銭を独力で適切に管理し、1ヵ月程度のやりくりが自分でできる。また、 1人で自主的に計画的な買い物ができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
1週間程度のやりくりはだいたい自分でできるが、時に収入を超える出費をしてしまうため、時として助言や指導を必要とする。

3 助言や指導があればできる
1人では金銭の管理が難しいため、3~4日に一度手渡して買い物に付き合うなど、経常的な援助を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
持っているお金をすぐに使ってしまうなど、金銭の管理が自分ではできない、あるいは行おうとしない。

☆ どれくらいのスパンで、お金のやりくりが出来るかがポイントのようですね。

(4)通院と服薬

1 できる
通院や服薬の必要性を理解し、自発的かつ規則的に通院・服薬ができる。また、病状や副作用について、主治医に伝えることができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
自発的な通院・服薬はできるものの、時に病院に行かなかったり、薬の飲み忘れがある(週に2回以上)ので、助言や指導を必要とする。

3 助言や指導があればできる
飲み忘れや、飲み方の間違い、拒薬、大量服薬をすることがしばしばあるため、経常的な援助を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
常時の援助をしても通院・服薬をしないか、できない。

☆ こちらの基準は、比較的に厳しめに感じますが、いかがでしょうか?

(5)他人との意思伝達及び対人関係
※ 1対1や集団の場面で、他人の話を聞いたり、自分の意思を相手に伝えたりするコミュニケーション能力や他人と適切につきあう能力に着目する。

1 できる
近所、仕事場等で、挨拶など最低限の人づきあいが自主的に問題なくできる。 必要に応じて、誰に対しても自分から話せる。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
最低限の人づきあいはできるものの、コミュニケーションが挨拶や事務的なことにとどまりがちで、友人を自分からつくり、継続して付き合うには、時として助言や指導を必要とする。あるいは、他者の行動に合わせられず、助言がなければ、周囲に配慮を欠いた行動をとることがある

3 助言や指導があればできる
他者とのコミュニケーションがほとんどできず、近所や集団から孤立しがちである。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができず、あるいは周囲への配慮を欠いた行動がたびたびあるため、助言や指導を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
助言や指導をしても他者とコミュニケーションができないか、あるいはしようとしない。また、隣近所・集団との付き合い・他者との協調性がみられず、友人等とのつきあいがほとんどなく、孤立している。

☆ これだけ読んでも、なかなか判断が難しいケースも多いと思います。
  結構、主治医先生も悩むんじゃないでしょうか?

(6)身辺の安全保持及び危機対応
自傷(リストカットなど行為嗜癖的な自傷を含む。)や他害が見られる場合は、自傷・他害行為を本項目の評価対象に含めず、⑩障害の状態のア欄(現在の病状又は状態像)及びイ欄(左記の状態について、その程度・症状・ 処方薬等の具体的記載)になるべく具体的に記載してください。

1 できる
道具や乗り物などの危険性を理解・認識しており、事故等がないよう適切な使い方・利用ができる(例えば、刃物を自分や他人に危険がないように使用する、 走っている車の前に飛び出さない、など)。また、通常と異なる事態となった 時(例えば火事や地震など)に他人に援助を求めたり指導に従って行動するなど、適正に対応することができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
道具や乗り物などの危険性を理解・認識しているが、時々適切な使い方・利用ができないことがある(例えば、ガスコンロの火を消し忘れる、使用した刃物を片付けるなどの配慮や行動を忘れる)。また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり指示に従って行動できない時がある。

3 助言や指導があればできる
道具や乗り物などの危険性を十分に理解・認識できておらず、それらの使用・ 利用において、危険に注意を払うことができなかったり、頻回に忘れてしまう。 また、通常と異なる事態となった時に、パニックになり、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができないことが多い。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
道具や乗り物などの危険性を理解・認識しておらず、周囲の助言や指導があっても、適切な使い方・利用ができない、あるいはしようとしない。また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができない。

☆ ポイントは、危険性の認識、周囲への配慮、適切な行動などでしょうか。

(7)社会性

1 できる
社会生活に必要な手続き(例えば行政機関の各種届出や銀行での金銭の出し入れ等)や公共施設・交通機関の利用にあたって、基本的なルール(常識化された約束事や手順)を理解し、周囲の状況に合わせて適切に行動できる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用について、習慣化されたものであれば、各々の目的や基本的なルール、周囲の状況に合わせた行動がおおむねできる。だが、急にルールが変わったりすると、適正に対応することができないことがある。

3 助言や指導があればできる
社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、各々の目的や基本的なルールの理解が不十分であり、経常的な助言や指導がなければ、ルールを守り、周囲の状況に合わせた行動ができない。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、その目的や基本的なルールを理解できない、あるいはしようとしない。そのため、助言・ 指導などの支援をしても、適切な行動ができない、あるいはしようとしない。

☆ 目的、ルールの理解ができるかどうか? がポイントでしょうか。

今回はボリュームが多くなってしまいました。お疲れ様でした。
でも、正直なところ・・・ここまで細かく考えて診断書を作成するのは、多忙な医師には難しいように思いますね。

精神障害で年金申請する際の参考になれば幸いです。
おお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

(社会保険労務士 海老澤亮)