「相当因果関係? 社会的治癒? なにそれ?」という方が、障害年金申請の初診日で確認すべきこと

「相当因果関係? 社会的治癒? なんですか?」という方が、障害年金申請の初診日で確認すべきこと

タイトルを見ますと、「相当因果関係」「社会的治癒」を知らない人のが少数派であるかのような、そういう誤解を与えますけれど、勿論知らない方が大多数かと存じます。

今日はそういう専門用語を知らなくても(いいので)、障害年金の申請をする際、初診日関係で確認しておきたいことをご案内します。

果たして「初診日」はこの日でいいのか?

精神疾患を例にとりますと、現在「双極性障害」で療養中とします。

しかし、双極性障害と診断されるまでに数年の療養生活を送っていたとします。当初の病名は「うつ病」でした。

このような場合、初診日は果たしていつになるでしょうか?

現在「双極性障害」だから、双極性障害と診断された日でしょうか? それとも数年前にさかのぼって「うつ病」の症状で医療機関を受診した日でしょうか?

私の「感覚」では、うつ病の症状で医療機関を初めて受診した日が「初診日」になる、と思います。(感覚という中途半端な表現をしましたが、細かな理屈はとっぱらっておりますので。)

上記のような例では、比較的納得しやすいかもしれません。ずっと体調が悪く療養生活を続けていて、うつ病⇒双極性障害(躁うつ病)と診断名が変わった、という場合は・・・。




では、他の例を考えてみます。

10年前に交通事故に遭いました。当初はむちうちの症状があり、しばらく通院しましたが、半年ほどで症状も消え、治療は終わりました。

ところが、それから1年経って少しずつ体調に異変が現れ、あちこちの医療機関を受診しましたが、原因が分かりませんでした。そして9年後にようやくとある難病である、と診断がされたとします。

果たしてこの場合は、いつが初診日になるのでしょうか?

こういった場合は、ちょっと困ってしまいますね。

障害年金の申請をする際、これまでの病歴を振り返る

障害年金の申請時に、初診日で悩むことは多いです。

その場合「相当因果関係」が前後の傷病であるか? を考えます。とはいえ、一般の方が考えるにはちょっと限度があると思います。そういう時、どう考えるか?

まずは、Aの病気で申請するにしても、これまでのご自身の病歴を振り返り、年表のように一覧表を作るといいかもしれません。(面倒かとは思いますが。)

そして、Aという病気の前に、Bという病気もあった・・・という場合、AとBとは何か関係性があるもんだろうか? と考えます。(相当因果関係の例示は、弊事務所の別コラム 
https://www.ae-shogai.com/921.html  からどうぞ。)

もし、年金事務所の窓口で職員の方に教わりながら申請されている場合は、「Aの病気になる前にBにかかった事があります。これは障害年金を申請する際、関係ありますか?」と確認した方がいいでしょう。

そうすれば、お独りで悩まずに職員さんも相談になってくれます。

初診日については、障害年金の申請でも特に大事なポイントですので、 いくつかのご病気を経験した場合、独りで考える前に誰かに相談(年金事務所又は社労士)することをお勧めします。

社会的治癒の判断も難しい

例えば、Aという病気にかかられて療養していたけれど、その後よくなって普通に社会生活を営んでいた。しかし、10年経って再び同様のご病気になった・・・。このような場合は、最初にAの病気で受診した時が初診日なのか? それとも10年後が初診日なのか? 悩ましい話です。

このような場合に「社会的治癒」という考え方を「援用」して、請求人に不利益のないようにする。というような仕組み? があります。

とはいえ、これをすんなり認めてくれるのか? というとハードルはあります。
なお、私の経験上、年金機構は自発的に「社会的治癒」を提案しない、と感じています。

上記の「社会的治癒」に該当するのかも? と思われる方は、一度社労士等の専門家にご相談された方がいいと思います。

初診日の判断は、最終的には医学的見地からされます。そのため、判断は難しいですが、初診日を覆されますと、請求のやり直し、ということになりかねません。「思い込み」を捨て(というのは簡単ですが、難しいですね。)なるべく慎重に判断の上、申請をされるのを希望いたします。

スッキリとした回答のない話でした。お付き合いくださいまして、ありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)