障害年金の初診日に関する調査票の注意点

障害年金の初診日に関する調査票の注意点

障害年金を申請する際に「アンケート」を記入して提出する場合があります。本来は「アンケート」ではなく「障害年金の初診日に関する調査票」というようですが、今回は注意点を見てまいります。

まずは年金機構のHPから

下記に日本年金機構のホームページをご紹介します。

 
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shindansho/2018042602.html

こちらをクリックしますと、「障害年金の初診日に関する調査票を提出するとき」というページに飛びます。

そちらには8種類の書類がPDFでダウンロードできるようになっていて、

① 先天性障害(網膜色素変性症等)眼用

② 先天性障害  耳用

③ 先天性股関節疾患(臼蓋形成不全を含む)用

④ 糖尿病用

⑤ 腎臓・膀胱の病気用

⑥ 肝臓の病気用

⑦ 心臓の病気用

⑧ 肺の病気用

が掲載されています。

単なる「アンケート」ではないです

原則として、上記の疾患に該当する場合は、それぞれの疾患に対応した調査票を作成し、提出が求められます。

そのため、この調査票は「病歴就労状況等申立書」同様、請求者から申し立てられる書類でもあります。主旨としては、書類の名前にもあるように「初診日」を判断するための資料です。

先天性の疾患や糖尿病、腎臓病など

「初診日が数十年前」

になる事もあり得るような、障害年金を認定する側も一苦労する疾患用に、認定を(良くも悪くも)よりしやすくするためのものかと思います。

勿論、初診日の認定は「受診状況等証明書」を医師に作成していただき、それをもとに認定されるわけです。それが原則です。

しかしながら、糖尿病や腎臓病などの疾患の場合は、発症から20年、30年経って障害年金を申請する、というケースが少なくありません。

そういう場合、上記の「受診状況等証明書」だけを鵜呑みにして認定する、ということに年金機構は抵抗があるのだと思います。

例えば、糖尿病の合併症として腎不全となり、人工透析を開始した場合で考えてみます。

通常、糖尿病の発症から人工透析を開始するまでには、かなりの期間を経ることになります。2年前に糖尿病になり⇒人工透析を開始することになった、ということは考えにくいでしょう。15年、20年経ってから人工透析をせざるを得なくなる、という事が多いと思います。

しかし、医療機関のカルテ保存義務期間は5年です。それを過ぎると、カルテを破棄してしまう医療機関は多い。そういったところでは「受診状況等証明書」を書いてもらおうとしても、書いてもらえないことが多くなります。

では、糖尿病から人工透析になられた方で、本当は初診日が20年前だったけど、カルテがなくて「受診状況等証明書」を書いてもらえなかった場合、どうなるのか?

場合によっては、

初診日を後にずらす

という対応も考えられるのではないか? 

本来は正直に記憶をたどり申請すべきですが、そう申請しなかった場合・・・。

そういうこと(あえて不正とは書きませんが。)に目を光らせるために「障害年金の初診日に関する調査票」を書いてもらう、ことになるのでしょう。

まとめ

初診日の認定を行う際に、この調査票の内容と証拠資料(受診状況等証明書など)が一致しませんと、「初診日を特定出来ない」と却下されることも考えられます。

事実をごまかして書くことはすべきではありませんが、この「調査票」の重要性を考えずに安易に「そういえばいつ頃だか○○があったかなー」などと、深く検証しないで記入するのはお勧めしません。

年金機構から「お尋ね」があった場合に、対応できるよう準備した上で、調査票はご記入いただきたいと思います。

とはいえ、長期間にわたり同じ会社で厚生年金の被保険者として働いていた場合などは、初診日の認定に柔軟になっている面はあります。

「完璧に証拠がないとだめ」とは言いません。

今回はちょっと難しいテーマでした。お付き合いくださいましてありがとうございました。(社会保険労務士 海老澤亮)